何億円も貯め込んだわけでもないのに偉そうなタイトルだけれど、まあ20年ちょいで、なんとか早期退職できる(今後の不安がゼロではないが)程度の蓄えを作った方法を備忘録的にメモ。ライフスタイルは人それぞれなので万人に役立つような方法ではたぶんない。
数年前、家族から「どうやったらお金が貯まるの?」と聞かれた時にもほぼ以下のような答えをしたと思う。
身も蓋もない話
先に見も蓋もないことを書いておくが、それなり(数千万円単位)の貯金を作るためには、それなりの収入がいる。また、あちこちのサイト等に書いてあるとおり、結局、自動積立による定額貯金が一番効果的。私はやらなかったが会社員なら財形貯蓄なども良い方法だろうと思う。
という当然のことを押さえた上で、そうした貯め方に失敗しにくい(と思う)方法をまとめてみる。
普段使いの銀行口座は3つに分ける
大事なのは銀行口座の使い方。
定期預金などを除き、普段使う銀行口座は以下の3つに分ける。
1.固定費口座
2.生活費口座
3.遊興費口座
これらは別銀行、あるいは同銀行の別支店にする。
1.固定費口座
家賃や光熱費・通信費など毎月必ず発生する出費を管理する口座。実際は変動するが便宜上「固定費口座」としている。
たとえば電気代の自動引き落とし口座もこれを指定する。
元勤務先の場合、給与分割支払いが可能だったので、全給与のうち一定額が毎月振り込まれるようにしていた。
なおメーンのクレジットカードの支払いもこの口座から行う。理由は後述。
カードや通帳で直接入金や出金することはほとんどないので、自宅からやや遠い地銀支店まであえて出かけて開設した。
2.生活費口座
これは食費など、1を除く生活費すべてをまかなう口座である。
よく使うので使い勝手の良い(コンビニでも複数回無料引き出しできる)ネット銀行の口座を利用する。
毎月一回、給与振込後に、ATMを使って手動で移す。
管理法は後述。
3.遊興費口座
好きに使って良いお金のための口座。基本的にはボーナス全額を入れる。
給与振込の際、固定費分以外の全額はこの口座に入る。そして振込直後に、同じ銀行の定期に定額が自動積立される。
残りは原則、生活費として、毎月一回ATMで引き出して生活費口座にまたATMで入れる。(自動振り込み設定も可能だが振込手数料がもったいないし、月によって額は変動するので手動で移す)。
ボーナスもここに振り込まれるが、どこにも移さない。全額、好きに使っていいことにしていた。
自宅直近の地銀で作成した口座。
旅行を含む趣味の出費はすべてここから。
実際には毎年使い切ることはなく、それなりの額が余っていた。
必須貯金と可能貯金
さて、2の口座に毎月手動で入れる生活費は一定ではない。給与のうち、固定費と自動引き落とし定期積立額が引かれた残りほぼ全てをあてる。
ただ、月によっては給与が少なめだったり、予定外の出費などで足りないこともある。
なので、貯金は2種類に分ける。
「必須貯金」と「可能貯金」である。
必須貯金とは前述の自動引き落としによる定期預金のこと。
そして可能貯金とは、生活費口座のうち「可能であれば余らせる」ものだ。
具体的には毎月4万円を余らせることを目標としていた。
むろん、あくまで「可能貯金」であるので、無理なら貯金する必要はない。
(実際には、ほぼ毎月予定通り余らせていた)。
こういう考え方は、〝貯金疲れ〟を防ぐ目的もある。無理しすぎず、少々使いすぎたり、たまには贅沢しても良いのだ。経験上、こういう余裕を持っておいた方が、結局、使いすぎを防ぐと思う。「今月はあと1万円しか使っちゃだめ」というより「あと5万円まで使ってもいい」と思ってた方が、結局無駄遣いしない(これは人の性格にもよるだろうが)。
可能貯金の枠を超えてお金が余った場合は、貯金はせず、固定費口座か遊興費口座のどちらかに適宜振り分ける。節約した自分への一種のご褒美である。
なお、必須貯金が一定程度の額になる都度、利率の良いネット定期などに随時、振り分けていく。
毎月の出費は「万単位」で管理
さて、ここまでで具体的に書いてなかったポイントのひとつは、「固定費」も「生活費」も1万円単位で管理することだ。
つまり固定費口座に給与から振り込む額も、残りから生活費口座に移す分も、それぞれ万単位。生活費口座に回せる残額(給与から固定費定額と自動積立分を除いた額)が例えば15万9999円だった場合、生活費口座に移すのは15万円ジャストである。16万1円だったら16万円。つまり切り捨て分はすべて遊興費となる。平均すると毎月5000円、年間6万円が遊興費に加わっていく。
そして固定費に関しては、万が一にも電気や水道が止まったら困るわけで、夏冬の電気代ピーク時を基準にして余裕を持った額としておく。必然的にこの口座のお金は余ってくる。臨時の出費やちょっとした贅沢品はここから現金を引き出したり、クレジットで買う。予定外の出費で貯金を取り崩すなどという事態も防げる。また、ガス水道電気を頑張って節約すれば、その分、贅沢品を買える臨時出費枠も増えていく。
当然ながら、クレジットカードで臨時の買い物をする場合は、事前に固定費口座の余剰分を確認する。
なお毎年の車両重量税はこの固定費口座の余剰分から払っていた。
生活費は1か月を6日単位で分割
なお生活費を口座から引き落とせるのは毎月5回までとし、6日単位で刻んでいた。原則として給与支給日の25日、翌月の1日、7日、13日、19日が引き落とし可能日。その日に財布の中身が一定額となるようカードで引き落とす。中途半端に思える6日単位なのは、単に1か月をほぼ5等分できるから。
なお生活費口座は住信SBIネット銀を利用していたので、生活費は毎月まとめてハイブリッド預金に入れ、引き落としの直前にPCで2万円とか3万円とか同ネット銀の普通口座に移す。つまり思い立ったときにカードで引き落とすことはできない。通常は残高ゼロだから。この原則により「今月はちょっと使いすぎてる」「まだ余裕がある」と分かるようになる。
実際はもう少しアバウトにやっていたが、現在が5分割の何番目なのかは常に漠然と意識はしていた。
資産は毎月一回、1円単位で把握
お金が貯まってくると、利率の良いネット定期など銀行口座(投資をやるなら証券口座も)がどんどん増えてくる。
これは性格にもよるが、私は毎月一回、表計算ソフト(Libre Calc)に全口座の最新残高を入力し、1円単位で全金融資産を把握するようにしていた。「●歳までに●円」という目標はあったので、その通りのペースかどうか、分かりやすい。まあ単純にお金が増えていくのは楽しい、というのもある。
ただ、この資産把握には例外がある。
余剰資金を常に持つ
1円単位で把握している資産は実は「名目上の資産」あるいは「絶対資産」とでも言えるもので、この資産には、あえて固定費口座の余剰分は含めずにおく。
つまり「隠れ資産」扱いにするのだ。これは主に心理的余裕を持つため。
たとえ臨時の手痛い出費があっても、名目上の資産は絶対に減ることはない、という状態を常に作っておく。
将来的な資産計画もあくまで名目資産を前提にして立てる。
年数回しか取引はしない証券口座でも、利益確定や配当によるプラス分は名目資産には入れない(元手分の数百万円分のみ計上する)。まあ証券口座は、いまあるプラス分がいつ減るか分からない、という面もあるが、損切り用の余剰分を除いてもそれなりの額が余っているので、固定費での余剰分では買えない贅沢品をどうしても買いたくなったら使っていた。これまで2回、投資利益の一部を買い物に当てている。
まとめ
自分なりに特に重要視していたポイントをあらためてまとめると
・口座を3つに分ける
・貯金は「二段構え」で貯める(必須貯金と可能貯金)
・月々のお金の管理は「万単位」
・最新の資産を毎月確認する
・「隠し資産」を常に持つ
こんなところか。
今後は毎月の給料もボーナスも無くなるので新たな管理法を思案中。